イザヤ59-61; Ⅱテサロニケ3

イザヤ書

第59章

59:1見よ、主の手が短くて、
救い得ないのではない。
その耳が鈍くて聞き得ないのでもない。
59:2ただ、あなたがたの不義が
あなたがたと、あなたがたの神との間を隔てたのだ。
またあなたがたの罪が
主の顔をおおったために、お聞きにならないのだ。
59:3あなたがたの手は血で汚れ、
あなたがたの指は不義で汚れ、
あなたがたのくちびるは偽りを語り、
あなたがたの舌は悪をささやき、
59:4ひとりも正義をもって訴え、
真実をもって論争する者がない。
彼らはむなしきことを頼み、偽りを語り、
害悪をはらみ、不義を産む。
59:5彼らはまむしの卵をかえし、くもの巣を織る。
その卵を食べる者は死ぬ。
卵が踏まれると破れて毒蛇を出す。
59:6その織る物は着物とならない。
その造る物をもって身をおおうことができない。
彼のわざは不義のわざであり、
彼らの手には暴虐の行いがある。
59:7彼らの足は悪に走り、
罪のない血を流すことに速い。
彼らの思いは不義の思いであり、
荒廃と滅亡とがその道にある。
59:8彼らは平和の道を知らず、
その行く道には公平がない。
彼らはその道を曲げた。
すべてこれを歩む者は平和を知らない。
59:9それゆえ、公平は遠くわれわれを離れ、
正義はわれわれに追いつかない。
われわれは光を望んでも、暗きを見、
輝きを望んでも、やみを行く。
59:10われわれは盲人のように、かきを手さぐりゆき、
目のない者のように手さぐりゆき、
真昼でも、たそがれのようにつまずき、
強壮な者の中にあっても死人のようだ。
59:11われわれは皆くまのようにほえ、
はとのようにいたくうめき、
公平を望んでも、きたらず、
救を望んでも、遠くわれわれを離れ去る。
59:12われわれのとがは、あなたの前に多く、
罪は、われわれを訴えて、あかしをなし、
とがは、われわれと共にあり、
不義は、われわれがこれを知る。
59:13われわれは、そむいて主をいなみ、
退いて、われわれの神に従わず、
しえたげと、そむきとを語り、
偽りの言葉を心にはらんで、それを言いあらわす。
59:14公平はうしろに退けられ、
正義ははるかに立つ。
それは、真実は広場に倒れ、
正直は、はいることができないからである。
59:15真実は欠けてなく、
悪を離れる者はかすめ奪われる。
主はこれを見て、
公平がなかったことを喜ばれなかった。
59:16主は人のないのを見られ、
仲に立つ者のないのをあやしまれた。
それゆえ、ご自分のかいなをもって、勝利を得、
その義をもって、おのれをささえられた。
59:17主は義を胸当としてまとい、
救のかぶとをその頭にいただき、
報復の衣をまとって着物とし、
熱心を外套として身を包まれた。
59:18主は彼らの行いにしたがって報いをなし、
あだにむかって怒り、
敵にむかって報いをなし、
海沿いの国々にむかって報いをされる。
59:19こうして、人々は西の方から主の名を恐れ、
日の出る方からその栄光を恐れる。
主は、せき止めた川を、
そのいぶきで押し流すように、こられるからである。
59:20主は言われる、
「主は、あがなう者としてシオンにきたり、
ヤコブのうちの、とがを離れる者に至る」と。59:21主は言われる、「わたしが彼らと立てる契約はこれである。あなたの上にあるわが霊、あなたの口においたわが言葉は、今から後とこしえに、あなたの口から、あなたの子らの口から、あなたの子らの子の口から離れることはない」と。

第60章

60:1起きよ、光を放て。
あなたの光が臨み、
主の栄光があなたの上にのぼったから。
60:2見よ、暗きは地をおおい、
やみはもろもろの民をおおう。
しかし、あなたの上には主が朝日のごとくのぼられ、
主の栄光があなたの上にあらわれる。
60:3もろもろの国は、あなたの光に来、
もろもろの王は、のぼるあなたの輝きに来る。
60:4あなたの目をあげて見まわせ、
彼らはみな集まってあなたに来る。
あなたの子らは遠くから来、
あなたの娘らは、かいなにいだかれて来る。
60:5その時あなたは見て、喜びに輝き、
あなたの心はどよめき、かつ喜ぶ。
海の富が移ってあなたに来、
もろもろの国の宝が、あなたに来るからである。
60:6多くのらくだ、ミデアンおよびエパの若きらくだは
あなたをおおい、
シバの人々はみな黄金、乳香を携えてきて、
主の誉を宣べ伝える。
60:7ケダルの羊の群れはみなあなたに集まって来、
ネバヨテの雄羊はあなたに仕え、
わが祭壇の上にのぼって受けいれられる。
こうして、わたしはわが栄光の家を輝かす。
60:8雲のように飛び、
はとがその小屋に
飛び帰るようにして来る者はだれか。
60:9海沿いの国々はわたしを待ち望み、
タルシシの船はいや先に
あなたの子らを遠くから載せて来、
また彼らの金銀を共に載せて来て、
あなたの神、主の名にささげ、
イスラエルの聖者にささげる。
主があなたを輝かされたからである。
60:10異邦人はあなたの城壁を築き、
彼らの王たちはあなたに仕える。
わたしは怒りをもってあなたを打ったけれども、
また恵みをもってあなたをあわれんだからである。
60:11あなたの門は常に開いて、
昼も夜も閉ざすことはない。
これは人々が国々の宝をあなたに携えて来、
その王たちを率いて来るためである。
60:12あなたに仕えない国と民とは滅び、
その国々は全く荒れすたれる。
60:13レバノンの栄えはあなたに来、
いとすぎ、すずかけ、まつは皆共に来て、
わが聖所をかざる。
またわたしはわが足をおく所を尊くする。
60:14あなたを苦しめた者の子らは、
かがんで、あなたのもとに来、
あなたをさげすんだ者は、
ことごとくあなたの足もとに伏し、
あなたを主の都、
イスラエルの聖者のシオンととなえる。
60:15あなたは捨てられ、憎まれて、
その中を過ぎる者もなかったが、
わたしはあなたを、とこしえの誇、
世々の喜びとする。
60:16あなたはまた、もろもろの国の乳を吸い、
王たちの乳ぶさを吸い、
そして主なるわたしが、あなたの救主、
また、あなたのあがない主、
ヤコブの全能者であることを知るにいたる。
60:17わたしは青銅の代りに黄金を携え、
くろがねの代りにしろがねを携え、
木の代りに青銅を、石の代りに鉄を携えてきて、
あなたのまつりごとを平和にし、
あなたのつかさびとを正しくする。
60:18暴虐は、もはやあなたの地に聞かれず、
荒廃と滅亡は、もはやあなたの境のうちに聞かれず、
あなたはその城壁を「救」ととなえ、
その門を「誉」ととなえる。
60:19昼は、もはや太陽があなたの光とならず、
夜も月が輝いてあなたを照さず、
主はとこしえにあなたの光となり、
あなたの神はあなたの栄えとなられる。
60:20あなたの太陽は再び没せず、
あなたの月はかけることがない。
主がとこしえにあなたの光となり、
あなたの悲しみの日が終るからである。
60:21あなたの民はことごとく正しい者となって、
とこしえに地を所有する。
彼らはわたしの植えた若枝、わが手のわざ、
わが栄光をあらわすものとなる。
60:22その最も小さい者は氏族となり、
その最も弱い者は強い国となる。
わたしは主である。
その時がくるならば、すみやかにこの事をなす。

第61章

61:1主なる神の霊がわたしに臨んだ。
これは主がわたしに油を注いで、
貧しい者に福音を宣べ伝えることをゆだね、
わたしをつかわして心のいためる者をいやし、
捕われ人に放免を告げ、
縛られている者に解放を告げ、
61:2主の恵みの年と
われわれの神の報復の日とを告げさせ、
また、すべての悲しむ者を慰め、
61:3シオンの中の悲しむ者に喜びを与え、
灰にかえて冠を与え、
悲しみにかえて喜びの油を与え、
憂いの心にかえて、
さんびの衣を与えさせるためである。
こうして、彼らは義のかしの木ととなえられ、
主がその栄光をあらわすために
植えられた者ととなえられる。
61:4彼らはいにしえの荒れた所を建てなおし、
さきに荒れすたれた所を興し、
荒れた町々を新たにし、
世々すたれた所を再び建てる。
61:5外国人は立ってあなたがたの群れを飼い、
異邦人はあなたがたの畑を耕す者となり、
ぶどうを作る者となる。
61:6しかし、あなたがたは主の祭司ととなえられ、
われわれの神の役者と呼ばれ、
もろもろの国の富を食べ、
彼らの宝を得て喜ぶ。
61:7あなたがたは、さきに受けた恥にかえて、
二倍の賜物を受け、
はずかしめにかえて、その嗣業を得て楽しむ。
それゆえ、あなたがたはその地にあって、
二倍の賜物を獲、
とこしえの喜びを得る。
61:8主なるわたしは公平を愛し、
強奪と邪悪を憎み、
真実をもって彼らに報いを与え、
彼らと、とこしえの契約を結ぶからである。
61:9彼らの子孫は、もろもろの国の中で知られ、
彼らの子らは、もろもろの民の中に知られる。
すべてこれを見る者は
これが主の祝福された民であることを認める。
61:10わたしは主を大いに喜び、
わが魂はわが神を楽しむ。
主がわたしに救の衣を着せ、
義の上衣をまとわせて、
花婿が冠をいただき、
花嫁が宝玉をもって飾るようにされたからである。
61:11地が芽をいだし、園がまいたものを生やすように、
主なる神は義と誉とを、
もろもろの国の前に、生やされる。


Ⅱテサロニケ

第3章

3:1最後に、兄弟たちよ。わたしたちのために祈ってほしい。どうか主の言葉が、あなたがたの所と同じように、ここでも早く広まり、また、あがめられるように。3:2また、どうか、わたしたちが不都合な悪人から救われるように。事実、すべての人が信仰を持っているわけではない。3:3しかし、主は真実なかたであるから、あなたがたを強め、悪しき者から守って下さるであろう。3:4わたしたちが命じる事を、あなたがたは現に実行しており、また、実行するであろうと、わたしたちは、主にあって確信している。3:5どうか、主があなたがたの心を導いて、神の愛とキリストの忍耐とを持たせて下さるように。
3:6兄弟たちよ。主イエス・キリストの名によってあなたがたに命じる。怠惰な生活をして、わたしたちから受けた言伝えに従わないすべての兄弟たちから、遠ざかりなさい。3:7わたしたちに、どうならうべきであるかは、あなたがた自身が知っているはずである。あなたがたの所にいた時には、わたしたちは怠惰な生活をしなかったし、3:8人からパンをもらって食べることもしなかった。それどころか、あなたがたのだれにも負担をかけまいと、日夜、労苦し努力して働き続けた。3:9それは、わたしたちにその権利がないからではなく、ただわたしたちにあなたがたが見習うように、身をもって模範を示したのである。3:10また、あなたがたの所にいた時に、「働こうとしない者は、食べることもしてはならない」と命じておいた。3:11ところが、聞くところによると、あなたがたのうちのある者は怠惰な生活を送り、働かないで、ただいたずらに動きまわっているとのことである。3:12こうした人々に対しては、静かに働いて自分で得たパンを食べるように、主イエス・キリストによって命じまた勧める。3:13兄弟たちよ。あなたがたは、たゆまずに良い働きをしなさい。3:14もしこの手紙にしるしたわたしたちの言葉に聞き従わない人があれば、そのような人には注意をして、交際しないがよい。彼が自ら恥じるようになるためである。3:15しかし、彼を敵のように思わないで、兄弟として訓戒しなさい。3:16どうか、平和の主ご自身が、いついかなる場合にも、あなたがたに平和を与えて下さるように。主があなたがた一同と共におられるように。
3:17ここでパウロ自身が、手ずからあいさつを書く。これは、わたしのどの手紙にも書く印である。わたしは、このように書く。3:18どうか、わたしたちの主イエス・キリストの恵みが、あなたがた一同と共にあるように。


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